まち活マガジン 2019年6月号(No.3)

まち活マガジン 2019年6月号(No.3)

 特集 : 土に生き、農に学ぶまちづくり「NPO法人手賀沼トラスト」
 あびこのおいしいみーつけた! : 我が家の「パンゲル係数」上昇中!ブーランジェリーB&P
 まち活掲示板 : 中学生発! 理科のうた「カルメ焼きの理科実験」
 つなぐひと : 子どももママも安心していられるイベント

 

手賀沼のほとりから、
農のあるまちづくりを
未来に残す。

我孫子駅南口から白山の住宅街を抜け、手賀沼ふれあいラインの方向に道を下ると、
田植えの済んだ水田が広がる。
整列する早苗はすがすがしく、向こうには緑豊かな根戸城址が見える。
陽光に輝く手賀沼を渡る風に吹かれながら、未来に続く農のあるまちで、
ほっと息をつく。

  

土に生き、農に学ぶ。
次世代に残すまちづくり。

 

 

 

小さなお子さんも、働き盛りのお父さんお母さんも、ご年配の方も、一緒に土にふれる。暮らしと学びを次世代につないでいます。

 初夏のある日、遠藤織太郎理事長と富沢崇事務局長にお話をうかがうために、本拠地である根戸城址・日暮会場を訪れた。
―設立20周年とお聞きしましたが、きっかけを教えてください。
遠藤:きっかけは、1997年、日暮朝納(ひぐらしとものり)さんという手賀沼のほとりに生まれ育って、手賀沼しか描かない農民画家の呼びかけから始まりました。当時の手賀沼は汚染がひどく悪臭を放つようになり、日暮さんは「絵にも描けなくなった」と嘆いていました。周囲にも住宅が建ち始め、時代の変化の中で農家は浮き足立っていました。その時に声をかけられたのは、私のほか、日暮さんの絵の仲間、大学院を出て実家の梨園をやっていた人、市議会議員でしたが、みんな日暮さんの気持ちに賛同して、どうにかしなければと思って会を立ち上げ、市民に呼びかけて1999年に手賀沼トラストを発足しました。以降、自然と共生する豊かで住みよい地域づくりをモットーに、これまで1,000人以上の人に農業を経験する機会を設けてきました。
―手賀沼トラストという会の名称は、どのように決めたのでしょうか。
遠藤:立ち上げメンバーの1人が「軽井沢トラスト」という名称から、「手賀沼トトラスト」を思いついたのです。自然環
境や歴史的建造物を次世代に残す活動を統括する日本ナショナル・トラスト協会にも相談して、賛同を得て決めました。 *
―活動の目的は。
遠藤:手賀沼の環境をよくして、荒廃している自然を再生し、自然と共生する農業を進め、水辺・農地・里山の景観を保全することを目的にしています。手賀沼トラストの目標とする生活が地域社会から認められるようになるためには、担い手・人材が必要です。里山農教室を通して、人材育成をして「ようやく」ここまでになったという感じです。
―人材育成の機会となっている里山農教室について教えてください。
遠藤: 里山農教室では、無農薬・有機栽培で稲・とうもろこし・枝豆・すいか・かぼちゃ・里芋など様々な作物を作っています。3月に開講して12月に閉講するサイクルで、月2-3回開き、講義を聞いてから実際に農作業をします。
1999年に私の発案で、第1期農教室を始めました。自然を守るといっても、ある程度の知識をもってやることが必要と考えました。当時はテキストがなく、毎回資料をガリ版刷りで印刷していました。20年目で、受講者は1,000人を超え、受講した人がリーダーになり、NHKカルチャー農講座の講師を務めるなど、外部からの依頼にも応えられるようになりました。

手賀沼トラストのみなさん
理事長の遠藤織太郎さん

―ほかには、どのような活動をしていますか。
遠藤:根戸にある里文化を継承しようということで、「竹教室」で竹かご作りをやっています。「養蜂部会」は、農薬を使わないために戻ってきた日本みつばちを増やして、蜂蜜や蜜ろうを採っています。
「ハーブ部会」は、ハーブを育てたい女性が増えてきたために作りました。
遊休農地の活用が今大きな事業となっていて、富沢事務局長が「遊農チームGMT65」としてプロデュースしています。
―富沢事務局長に、遊農チームGMT65についておうかがいします。
富沢:GMTとは「ジモト」のことです。東京の会社に通い定年退職した人が、今度は自分の住んでいるこの場所で生き直そうというコンセプトです。
増え続ける遊休農地を荒れ果てた雑草地にしないように、我孫子市からは補助金をいただき、農家からは土地と農機を借りて、暇だけはたくさんある65歳(若い人もいます)が米を作り、ヒマワリや菜の花を咲かせようというわけです。おかげさまで根戸新田の景観は復活し、農家は先祖伝来の田畑を守ることができ、65歳は健康と暇つぶしができます。そのうえ、現物支給もしていますので、去年などは米90キロ、ひまわり油40リットルもらった人もいます。一石二鳥、いや一石三鳥だと自負しています。
―新たに始まった「子ども部会」の活動についても教えてください。
富沢:「子ども部会」は今年3月に発足して、17家族が参加、子どもは40人くらいいます。子どもたちは農教室に参加して、会員のじいじ・ばあばと一緒に田畑に入り、土になじみ、泥にまみれています。また、根戸城址の倒木で遊具を作ったりして森の保存にたずさわるとか、根戸新田地区の植物・昆虫・生き物を調べ、自然地図を作りたいというプランもあり、まだまだこれから活動が広がっていくと思い楽しみです。
―最後に、これからの展望についてお話ください。
遠藤:手賀沼トラストは市民の声から始まって立ち上がり、今や時代の変化の中で、農家のできないことを担うようになりました。農政課とも関係をつくり、法人化して農の担い手として社会的に認知されるようになりました。
これから進めたいのは、「冬水田んぼ」を増やして循環型の環境を作ること。それから、子ども達が植物を育てながら情操・感性を豊かにして、ここがふるさとだと感じるようになったらと思います。
富沢:会員は、 GMT65や里山農教室の活動以外にも、ひまわりアートや菜の花アートをやりたい、ハーブを育ててハーブティーを飲みたい、ミツバチを飼って蜂蜜をなめたいなど、楽しんで活動しています。「ねばならない」のではなく、こんなことをやったら楽しいだろうと思う気持ちを妨げずにやってもらう、みんながいろいろな形で思いを実現できる場所でありたいと思います。

 遠藤理事長の20年かけて人材育成を行い、「ようやく」とおっしゃった言葉が印象的だった。信念を持って進むことで、変えにくい環境や農業を着実に変化させてきた手賀沼トラストの実践に、農のあるまちづくりの手ごたえとその先にある未来の可能性を感じさせられたお話だった。

*ナショナルトラスト
産業革命で急速に自然が失われた19世紀に、イギリスで生まれた活動。大切な自然環境という資産を寄付や買い取りなどで入手し、守っていくことを基本理念としている。ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポターは重要な推進者であり、湖水地方に1,700ha以上の土地を買い、英国ナショナル・トラストに寄付した。

NPO法人 手賀沼トラスト

会員  正会員 158名
http://teganuma-trust.jp/
    正会員(個人)
    入会金 2,000円 年会費 3,000円
連絡先 info@teganuma-trust.jp
    活動の詳細は、ウェブサイト
    ご覧ください。フェイスブック
    でも、活動やイベントの告知・
    報告を発信しています。
https://www.facebook.com/teganuma.trust

  

中学生発! 理科のうた
「カルメ焼き」の理科実験より
ふくらし粉入れて素早くかき回す ふくらむ泡と ふくらむ期待
撰 : サイエンスクラブ”これからっと”小松

  

我が家の「パンゲル係数※」上昇中! ブーランジェリーB&P

 引っ越してきた当時、どの店に入っても“おや?見ない顔だね”という無言の雰囲気を感じて、ちょっとへこんでいた。そんなある日、いつものように自転車で走っていたら、「焼立てパン」の文字が見えた。私のおいしいものレーダーがピピピと反応し、ハンドルを切ると、湖北の保健センター近くの裏道にたたずむ「ブーランジェリーB&P」を発見。チリンと鐘を鳴らしてドアを開けると、ほっそりとした女性が迎えてくれた。奥では職人らしき男性が仕事に熱中している。並ぶパンを見て驚いた。どれもオシャレで、個性が際立っている。本能のおもむくままに選び、山盛りのトレーを女性に渡す。二言、三言言葉を交わし、つかず離れずの心地良い接客を受けて、すっかりファンになってしまった。
1年半経った今では、季節によって具材が変わるパンを選びながら、ご夫婦と会話することが、私の暮らしの中での大きな楽しみになっている。おいしいものを作る人には、譲れないこだわりと人間的な魅力がある。最近、全商品が国産小麦粉使用になり、モチモチさに磨きがかかった。
 ただ困ったことに、パンがおいしすぎるためエンゲル係数ならぬパンゲル係数※と、私の体重は増加の一途をたどっている……。食べる楽しみは止められないから、娘と縄跳びでもしよっと。※パンゲル係数:食費のうちパンが占める割合(ライターの造語)

食べるライター 片岡綾
2017年末に流山市から我孫子市に転居。
おいしいものを探して自転車で街を駆け
巡る日々の中、我孫子の食の豊かさに開
眼。「食べるために生きる」がモットー
の40代一児の母。

  

 4月27日に開催された「さくらアートフェスティバル」。歌と詩のパフォーマンスは圧巻。地域のママ達が作るマルシェも活気に溢れていました。子ども同士が自然と仲良くなり、出店者のみなさんが気軽に声をかけてくれて、子どももママも安心していられるイベントでした。うちの息子と娘の話し相手になってくださったパン屋さんと写真スタジオのみなさん、ワークショップの店主さん、本当にありがとうございます。(野際里枝

まち活マガジン あびこ市民活動ステーション情報紙 No.3 2019年6月号
発行日:2019年6月1日 発行元:あびこ市民活動ステーション(指定管理者:㈱東京ドームファシリティーズ)
情報紙制作監修:『gente(ヘンテ)』編集長 大澤元貴

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このページは、「まち活マガジン2019年6月号」を、
ホームページ用にリメイクして載せたものです。
印刷版の画像は、以下からご覧いただけます。