まち活マガジン 2019年8月号(No.5)

まち活マガジン 2019年8月号(No.5)
 特集 : 日常生活の中で、無理なく取り組む防災「SL災害救援ボランティアネットワーク」
 あびこのおいしいみーつけた! : 鮮度の良い鶏肉とトークが魅力 小柳商店
 まち活掲示板 : 理科のうた「植物のなかま」
 つなぐひと : 「事務局力」の重要性

  

日々の生活の中で
身近にあるものから
災害に備える。

毎年のようにどこかで災害が起こり、
今年も九州の集中豪雨、山形沖での震度6強の地震と
災害列島であることを強く意識させられる。
わが家の備蓄は、何を、どのくらい準備する?
防災グッズを購入しようか? でも意外と高くつくし…。
そんな疑問の答えを求めて、布佐に「防災の達人」を尋ねてみた。

  

生活の中で、無理なく取り組む防災

 

HUG(避難所運営ゲーム)で、気づきを共有。いざと言う時のシミュレーションをしていくことで、日ごろから取り組める防災を知る。

 布佐の「防災の達人」河上徹夫さん。我孫子市SL災害救援ボランティアネットワーク支部長であり、布佐平和台自治会防災委員長である。その活動や地域防災について、日頃からできる取り組みなどさまざまな話をうかがった。
―所属されている「SL災害救援ボランティアネットワーク」(以下、SLネット)とは、どのような組織ですか。
 大規模災害に備えて「わが身わが命は自分で守る」ことを基本精神に、職場・学校・地域に根ざした自主的な防災活動を行うことを目的とした地域防災リーダーのネットワークです。阪神・淡路大震災でボランティアが十分に活動できなかった教訓をふまえて、1995年に立ち上げられた「災害救援ボランティア推進委員会」が本部です。そこが実施する「災害救援ボランティア養成講座」を修了するとメンバーになることができます。我孫子支部には、現在39人の会員が所属しています。
―我孫子支部では、どのような活動をしていますか。
 隔月で定例会を行い、参加した研修や新たに得た防災情報などを交換して、互いに研鑽し合います。町会・自治会への講習会、市の総合防災訓練・避難所運営訓練等への参加、地域のイベントへの参画が年間の主な活動です。大きなイベン
トとして、3月に行われる「3.11鎮魂竹宵のつどい」、市民活動団体が主催する「市民のチカラまつり」などに参加しています。
―河上さんがSLネットに入ったきっかけを教えてください。
 平和台自治会の防災委員会の委員になった時に、自治会の先輩に勧められて、2010年に養成講座を受講したことがきっかけでした。SLネットの代表になったのは、2016年のことです。
ーあびこ市民活動ステーションがまちづくり協議会と実施する地域防災講座でも、SLネットのメンバーに活躍いただいています。
 メンバーの中には、元東京消防庁レスキュー隊長の高野さんのような専門家がいますし、自治会で熱心に防災活動を実践している人もいますので、講座を行う時に声をかけていただければ、協力したいと思います。

SL災害救援ボランティアネットワークのメンバー
河上徹夫さん

 

―ご自身の自治会では、どのように防災組織を作ってきたのでしょう。
 元々、仕事の関係で防災の知識はありましたので、定年後に入った自治会で防災組織を作り上げようと思いました。
平和台は1300世帯もある大きな自治会です。最初の頃は1人ずつ違う意識を持っているために、どうやって危機意識を持ってもらうのかというところに苦労しました。

 2007年に防災委員会が設置されて、5つの分科会に分かれるなど組織化しましたが、防災訓練を行うのにマニュアルが先か、訓練が先かなどの議論があり、なかなかまとまりませんでした。
そこで2008年からは学習会を行うことにし、「災害時の助け合い」「耐震診断講習会」「災害図上訓練」などの学習会を行いました。2009年には『防災マニュアル』を作成し、全戸に配布しました。また、安否確認等の訓練を行ったり、2010年までに平和台自治会内にある9ヶ所の公園全部に防災倉庫を建てました。
防災委員が「災害救援ボランティア養成講座」を受講して、地域の災害救援リーダーとして育つようにもなりました。2012年からは、彼らが他の地域の町会・自治会の防災訓練を支援するようにもなりました。
―組織づくりとして、とても良い事例だと思います。他の地区にも、このような取り組みを知ってもらいたいですね。
 私たちのやってきたこと・経験が他のところでも役に立つならうれしいと思います。
―我孫子全体の防災については、どう考えていますか。
 自治会ごとに、「災害救援ボランティア養成講座」を受講したリーダーがいて、その人達が年間計画を立て、自治会の防災組織を牽引していくといいのではないでしょうか。各自治会も訓練の機会を得ることができるし、意識も高まってくるように思います。
―現状の課題と思うことは?
 災害が発生した時から行動するのでは遅いのです。たとえば水害の危険性がある時には、避難指示が出る前に災害弱者を誰が運ぶのかなどを決め、マニュアル化しておくことが必要なんです。
また、防災のために何から何まで買いそろえる必要はありません。生活の中で使っているもの、たとえば食品用ラップは防寒に使える、紙皿に巻けば皿が何度でも使えるし、自宅に池があれば貯水槽の代わりにもなるなど、家にある物をいかに活用するのか、日々の生活の中から考えてみるといいと思います。
防災は専門家や行政が考えるものではなく、地域で生活する一人ひとりが、日常の中で無理なく取り組めるものであることを、河上さんのお話から実感した。
「自分の歩んできた道を活用して、人に喜ばれる事をしたい」という熱い思いで防災に打ち込んでいらっしゃる河上さん。地域で安全・安心に暮らせる背後には、河上さんのような気持ちのあるスペシャリストがいる。ここにも我孫子の人財ありと、出会いの喜びを感じインタビューを終えた。

災害救援ボランティア養成講座
日時 11月2日(土)、3日(日)、9日(土)9:00~17:00
   (注)2019年度は終了しています。
会場
 中央学院大学、我孫子市消防本部

費用 15,000円(学生10,000円)
   我孫子市在住・在勤者には市からの助成あり
内容 災害想像力を養うワークショップ、災害と防災対策の基本、災害ボランティア概論、活動図上訓練、上級救急救命講座など
主催・問わせ先 災害救援ボランティア推進委員会
電話 03-6822-9900

  

鮮度の良い鶏肉とトークが魅力 小柳商店

 私がまだ独身だった頃、初めて我孫子駅前にある鶏肉専門店「小柳商店」に足を踏み入れた。二人の男性がリズミカルに鶏をさばく姿と、お釣りの返し方が八百屋でお馴染みの「はい!300万円ね!」(実際は300円)に、すっかり魅せられてしまった。結婚して再び我孫子市民に戻り、久しぶりに店に入ると変わらぬテンションの70代のお二人。「ご兄弟ですか?」と尋ねると「いや、東大だよ」とはぐらかされる。父親の代から約80年続けてきたが、今年7月6日に惜しまれながらも閉店することになった。
 私がなぜ個人商店を好きかというと、扱っている食材に対する専門知識に加え、買い物をする楽しさがあるから。スーパーマーケットでは話し相手がいない。カートに体を持たせかけながら、みんなそれぞれの冷蔵庫と財布の中身を頭に浮かべながら店内をグルグル回る。ところが、小柳商店では、「この部位初めて見ました!どうやって調理したらおいしいんですか?」といった会話ができる。おじさま方の軽妙な答えも心地良い。「はい!お返し500万円ね!」、「エー!財布に入りきらないなあ」なんてやりとりをしていると、気持ちと暮らしがグンと潤う気がする。
 そして何より、鶏肉の鮮度の良さと品質への信頼感。それもそのはず、「朝、あの世に行った鶏を、その日のうちにさばいてお客さまに買っていただくのがポリシー」とのこと。閉店した今、お二人からもらったパワーは計り知れないと改めて思う。

食べるライター 片岡綾
2017年末に流山市から我孫子市に転居。
おいしいものを探して自転車で街を駆け
巡る日々の中、我孫子の食の豊かさに開
眼。「食べるために生きる」がモットー
の40代一児の母。

  

中学生発! 理科のうた
「植物のなかま」
ゼニゴケの 精子が泳ぐ 雨の中 卵細胞を 目指して必死!
ゼニゴケの め株に胞子ついてると 黄色い花火 みたいに見える
撰 : サイエンスクラブ“これからっと”小松

  

 長く続いている活動や団体を取材させていただき「事務局力」の重要性を改めて感じます。先頭に出て引っ張るのではなく、下から活動を支え、関わる人をケアし、コミュニティを動かしていく。良い事務局を創れるかどうかが、活動や団体が発展、継続していけるかの重要なカギだと思います。長く続く活動の多い我孫子には、「事務局力」のヒントがたくさんあります(野際里枝)。

まち活マガジン あびこ市民活動ステーション情報紙 No.5 2019年8月号
発行日:2019年8月1日 発行元:あびこ市民活動ステーション(指定管理者:㈱東京ドームファシリティーズ)
情報紙制作監修:『gente(ヘンテ)』編集長 大澤元貴

 

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このページは、「まち活マガジン2019年8月号」を、
ホームページ用にリメイクして載せたものです。
印刷版の画像は、以下からご覧いただけます。