まち活マガジン2023年3月号(No.26)

まち活ライター誕生

書くことでまちを活性化したい。 我孫子が大好き、その魅力を発信したい。
そんな想い胸に、市民ライターが誕生した。 名付けて「まち活ライター」。

Contents.

まち活ライター座談会
新聞記者から学んだ実践力を役立てながら

まち活ライター紹介

つなぐ人~コーディネーターより


 市民活動ステーションでは、我孫子のまちの豊かさや魅力を市民視点から発信したいと、昨秋「まち活ライター養成講座」(全3回)を行った。講師は、朝日新聞の記者として柏・我孫子地区を担当していた三国治さんにお願いした。受講者は、取材の仕方と記事の書き方を実践的に学び、講座終了後は1人でインタビューをし、記事を書き上げた。こうして誕生した人達を、「まち活ライター」と呼び、今後は市民活動ステーションのHPや発行物を通じて発信していただく予定である。

プロから学んで実践に活かす

高橋:本日は、まち活ライターとなった4人の方々に、講座の感想や今後の抱負などをお話いただきます。まずは、この講座の感想をお一人ずついただけますか。

寺田:私はライターの仕事をしていたのですが、ベテランの方に添削をしてもらう経験が少なかったので、三国先生にお会いしてみたくて受講しました。初心者向けの講座だと思ったら、けっこうしっかりと文章について指摘してもらえて、切れ味のよい三国カラーがとてもよかったです。自分の文章だけではなく、受講者それぞれの原稿についてのフィードバックを聞くという経験もよかったです。自分もできてない部分があるし、確かにここは読みにくいなとか、客観的な目を持てました。

藤久:私も、プロの新聞記者に原稿を見てもらう機会はないし、どんな感じなんだろうかと思って参加しました。学べることが多くて、すごく参考になりました。日本語として正しい文章を書いても、相手の取り方は人それぞれだから、そこにやりがいがあり、おもしろいなと思いました。

高橋:実はシニア向けの講座として企画しました。

藤久:シニア男性達に混じって、場違いな感じで受講するのかなと覚悟して来ました。

高橋:30歳代~ 40歳代が来るとは思っていなくて、うれしい誤算でした。この講座がなければ、皆さん市民活動ステーションには来なかった人達ではないかと思います。

藤久:本当に小さく広報に載っていて、普段は見ないけれどその時には目に入りました。

外園:私は、子どもも独立し、会社も辞めて自由な時間ができて、何かないかなと思っていた時にチラシで見ました。近隣センターに並ぶチラシの中で、この講座が群を抜いておもしろそうに思えました。講師が元記者の方というので、蘊蓄を話すような講演っぽい講座かなと思ったら、全然そんなことはなくて。自分の原稿を見てもらって、細かく直していただけてよかったです。

寺田:新聞記者というと固い感じをイメージしていましたが、三国先生は気さくで物ごしもやわらかくて。

東浦:道の駅で「手賀沼だより」を書くことになったけれど文章力が心配で、知り合いからこの講座を教えてもらいました。新聞記者に学べるということで、おもしろそうだと思いました。1 回目から取材の仕方とか実践的な内容で、勉強になりました。「自分のおもしろいと思ったことを大事にしよう」、「友達とお茶をしながら伝えるようなイメージで」というところが印象に残っています。「文章は短くシンプルに」を意識するようになりました。

高橋:記者にとって自分がおもしろいと思うことが実は一番大事、でもそれはテクニックではないので教えられないと三国先生はおっしゃっていました。これから皆さんがおもしろいと思ったことを、市民活動ステーションに提案していってほしいです。市民の目線で、自分の個性を活かしながら。

講師の三国治さん(朝日新聞元記者)

課外インタビューで得たこと

高橋:それでは次に、講座後に1 人で行った課外インタビューについて、感想を聞かせてください。寺田さんは木川敏子さん(NPO法人ACOBA)、東浦さんは田中玲子さん(あびこ子ども食堂他)、藤久さんは大炊三枝子さん(㈱あびベジ)、外園さんは宮内俊郎さん(音楽グループB-Chords)と、それぞれ個性豊かな方を取材しました。

東浦:田中玲子さんは20くらいの活動をしているというので驚いたのですが、明るい方で話は尽きないし、楽しかったです。子ども食堂、フードバンク、フードパントリーの話をメインにお聞きしました。人の役に立つ活動を仲間と協力してやっていることに刺激を受けて、世界が広がりました。インタビューは3 時間におよびましたが、三国先生に教わったことを思い出して内容をグループ分けすることで、書きたいことが見えてきました。

藤久:私は、あびこんと隣のレストランを経営している大炊さんに取材しました。我孫子に引っ越して来た時、最初は水の館の近くに住んでいました。幼稚園バスの乗り場に隣接していたし、子ども達も虫取りが好きで庭のように利用させてもらった思い出の場所として、取材したいと思いました。
 大炊さんは、女性の農業者としては我孫子では第一人者で、忙しい中で時間をとっていただいたようですが、取材に慣れている様子でスムーズに終わった感じです。
 取材をしながらむずかしいなと思ったのは、相手の目を見ないと不自然だし、書いていると見られないし、ノートの字は汚くなるし、その難しさはやってみて思いました。

外園:インタビューは初めてだったので、事前に市民活動ステーションの準備講座は助かりました。質問を洗い出して書いてみたら、どういうことを聞く必要があるのかがわかりました。宮内さんはすごく話上手なので、話に夢中になっているとつい手が止まっていました。記録とインタビューを同時にやる難しさが、よくわかりました。

寺田:ライターとして東京の仕事が多くて我孫子を全然知らなくて、自分の足元を見たいと思って講座を受けました。課外インタビューは楽しみにしていて、どんな人が我孫子で活躍しているのか、今後まちに目を向けて自分のスキルや好きなことを活かしたいと思った時に、木川さんにインタビューしたいと思いました。
 木川さんは、行政書士として約25 年前に事務所を開いて、NPO法人ACOBA の代表でもあります。働く女性として、家庭とどうやってバランスを取っているのかと聞いた時、「自分のことを大事にするのを忘れちゃいけないよ」とおっしゃったのが印象的でした。女性は家庭のため、お客様のためなど、常に人のために働きがちだけれど、「私が一番後悔しているのは自分の声を聞いてあげてこなかったこと、だからそこは大事にしてね」という言葉が、今の自分の状況と重なってすごく響きました。
 インタビューしたくても、地域で人脈がないと誰に話を聞いたらいいのかわからなかったので、市民活動ステーションがつないでくれて助かりました。自分が聞きたい話を聞けて原稿に残せる機会は、ありがたかったです。

まち活ライター養成講座の様子

これから書いていきたい分野

高橋:課外インタビューは大変だったけれど、得るものがあったようですね。まち活ライターとして、今後取材したい人や分野はありますか。

東浦:国際交流に興味があるので、我孫子市の国際交流団体や活躍している外国の方に取材してみたいと思います。
 あとは、子育てママにインタビューして週末の過ごし方とか、平日のルーティーンとか、働くママの時間のやりくりについて聞いてみたいです。

藤久:私は環境系に興味があり、SDGs や環境にいいものに取り組んでいる人やものを取材したいと思います。大炊さんを選んだのも、無農薬とかオーガニックに興味があったからですが、我孫子も環境にやさしい農業を進めていることがわかりました。それから、環境保護をやっている人にも興味があります。

外園:特にこういう分野を取材したいというのはあまりないで\す。今回の取材は音楽が好きなので話も盛り上がったし、言っている内容もわかったんですが、行政書士とか、どこまで自分が理解できるか不安があります。いろいろな話を聞いて、自分自身も楽しんで情報を得て、参加できることやお手伝いできることがあったら一緒にやり、自分自身の生活を楽しむということを大事にしながらやっていきたいです。

寺田:藤久さんの興味に近いです。我孫子は都内の通勤圏なのに、自然が豊かで農家があって、地産地消でおいしいものを食べられるのが気に入って5年前に引っ越してきました。作り手の声を聞いてみたいと思います。もう1つは、ずっと器が好きで、陶芸家のバーナード・リーチさんが住んでいたとか、白樺派の文人が住んでいたとか、そういう文化の香りのするところが我孫子の魅力だと思うので、文化人の方や研究している人に話を聞いてみたいです。

高橋:長く継続している活動、我孫子の特徴を活かした活動をしている市民活動団体がいくつもあります。皆さんの無理のないペースで取材と執筆を重ねて、書くことで我孫子の活性化を進めていっていただけたらと思います。今日は、ありがとうございました。


我孫子の魅力を発信する市民ライターとして、
「書くこと」でまちを活性化していく。
2022年度にあびこ市民活動ステーションが
開催した養成講座の修了生。

 

好きなスイーツ:硬めプリン

寺田 さおり

本業はライターと料理のスタイリスト。書くことと食べることはずっと大切にしていきたい。視覚から入るのが得意。日常の中で流れてしまうことをもつぶさに観察して、タイトルをつけ、文章にすることで味わいが増していくと感じる。見落としていたことに気づいたり、我孫子を見る目の解像度が上がって一段と鮮明に見えるようになるきっかけを作れるよう記事を書いていきたい。

好きなスイーツ:チョコレートケーキ

東浦(ひがしうら) 聡子

2011年に引っ越してきて11年。我孫子は手賀沼や田んぼがあって、のんびりしているところが気に入っている。図書館があって、子育てもしやすい。これからの活動として、新しい店を取材して情報発信をしていきたい。国際交流にも関心があるので、海外の食文化、たとえばアジアの料理を取材してみたい。得意なことはないけれど、聞き上手とよく言われるので、そこを活かしていきたい。

好きなスイーツ:モンブラン

藤久(ふじく) なお

我孫子に来て7 年。もともと転勤族でいろいろな所に住んだけれど、我孫子は本当に住みやすくて魅力がたくさん感じられる。書く仕事をしているので、我孫子のよさにもっと気づいてもらえるような活動を紹介していきたい。なにか新しいことへ踏み出そうと思えるきっかけもお届けできればいい。書くことの他、写真を撮ること、編集も好きという私の強みを活かしていきたい。

好きなスイーツ:バウムクーヘン

外園(ほかぞの) 若菜

我孫子に住んで28年。ずっと仕事で帰って来たら寝るだけの生活をしていたが、ようやく自分の時間が持てるようになった。得意なことは、我孫子のまちをくまなく歩き、新しい店、おいしい店を見つけること。1つのことを思い、考えているのが好き。書くことで、まだ知られていない我孫子の活動をみなさんに発信しながら、これからの生活に張りとリズムをもたせていきたい。


市が開催した「地域コーディネーター養成講座」から、33人の修了生が生まれた。本紙で
紹介した市民活動ステーションの講座からは4人の市民ライターが誕生した。2022年度は、市民活動の再活性化を担う人財が生まれた記念すべき年だった。定年後のシニアだけでなく子育て現役世代も含まれていて、これからの活躍が期待される。(高橋由紀)
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      17時以降は予約のみ開館。17時以降のご予約は2日前までにお願いします。
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Tel・Fax 04-7165-4370
https://abikosks.org/
abikosks@themis.ocn.ne.jp
 
まち活マガジン あびこ市民活動ステーション情報紙No.26
発行日:2023年3月31日/発行元:あびこ市民活動ステーション[指定管理者:(株)株式会社東京ドームファシリティーズ]
デザイン・レイアウト/人を通して障害を識るフリーペーパー「gente」編集長 大澤元貴

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