まち活マガジン No.29 2023年12月号

チャリティーサンタから心に残る贈りもの

「サンタさんに会いたい」唯一無二の子どもの夢。
一生記憶に残る活動が広まっていくといいなと思う。
我孫子が好きだから、子どもたちにもそう思ってもらいたい。
そうすれば、もっと我孫子がすてきな街になっていく。

写真提供:チャリティサンタ我孫子支部

Contents.

まち活団体紹介
NPO 法人チャリティーサンタ 我孫子支部

あびこのおいしいみーつけた!
石臼と

白樺派のまちの見える化に向けて
第3話 塩原にて(続き)、そして鬼平の舞台で

つなぐ人~コーディネーターより


写真提供:チャリティサンタ我孫子支部

 小学生の子どもを持つ子育てパパが中心となって活動しているチャリティーサンタ我孫子支部は、今年で5年目を迎える。障がい者就労支援の福祉施設代表の関口隆彦さん(通称ぐっさん)と市役所職員の松本拓馬さん(通称たくあん)に、チャリティーサンタの活動と思いについてお話を伺った。(文中敬称略)

Q:チャリティーサンタの始まりを教えてください。

関口:チャリティーサンタは、「世界中の子どもたちを笑顔にしたい」という思いから立ち上がった活動です。きっかけになったのは、立ち上げた方のヒッチハイクの旅でした。世の中の人たちに支えてもらいながら旅をしてきたので、その恩返しとして考えられました。我孫子支部の初めての活動は、2019年12月24日です。
松本:支部を発起したのは、今も一緒に活動している鈴木さん(通称タカさん)です。鈴木さんは、障がい者を雇用する特例子会社「帝人ソレイユ」を立ち上げるため、我孫子に移住してきました。地域のために何かしたいという思いが強く、SNS でチャリティーサンタの活動を知り、人脈でメンバーを集めながら小さく始めて、今少しずつ広がっています。

Q:活動内容について教えてください。

関口:対象になるのはすべての子どもたちですが、一般家庭と生活困窮やシングル家庭のお子さんみんなにクリスマスの思い出を届けてあげたい。基本的に私たちが届けるのは、思い出です。一般家庭は3000円から寄付金をいただきますが、これは活動資金や海外の子どもたちの支援などにも使われます。
松本:事前に親御さんとやりとりをして、伺う時間帯やご家庭で用意したプレゼントの置き場などを確認しておきます。当日は、サンタの格好をして親御さんからこっそり受け取ったプレゼントを持って訪問します。活動するのはイブだけなので、その日のためにしっかりと準備して全勢力をつぎ込んでいます。
関口:今年頑張ったことやこれから頑張ってほしいことなどを親御さんに聞いておいて、子どもに伝えることもあります。サンタさんとの約束は子育てにも使えるんです。生活困窮やシングル家庭など、トナカイの名前にちなんでルドルフ家庭とよんでいますが、その家庭に限り絵本のプレゼントも持って行きます。ブックサンタといって全国に本を寄付する活動をしている書店があるので、お子さんの年齢に合う本を選んでいます。
松本:ルドルフ家庭からは、寄付金をいただいていないので無料です。ルドルフ家庭のお子さんは、経験の数も減っていく傾向があります。そこを提供するのがメインなので、プレゼントも大事ですが、サンタが来てくれたという思い出を作ることに力を入れています。

Q:我孫子支部の特徴はありますか。

関口:行政と連携できているのは我孫子ならではです。
松本:全国に41支部あり学生ボランティアが多いですが、我孫子は平均年齢がトップ。サンタの格好が似合うおじさんばかりです。仕事と家庭を両立できているので、活動を継続しやすいというのもあります。全国的な傾向として、利用者は所得との相関がありますが、我孫子はルドルフ家庭に踏み込みたい思いが強く、その割合を増やしています。ルドルフ家庭の利用は約6 割で、他に比べて一番多いです。行政の力を使って、児童扶養手当の通知などに情報を入れ込んでダイレクトにアプローチすることができます。

関口隆彦さん(左)、松本拓馬さん(右)

Q:活動を始めたきっかけについて教えてください。

関口:障がい者の就労を支援する福祉施設で働いている関係で、鈴木さんと知り合ったことがきっかけでした。行政とつながって永続的な活動をしていくために、鈴木さんの声がけで松本さんを紹介されました。
松本:お誘いいただいたからですが、もともと市民活動に興味がありました。以前、社会福祉課で貧困対策をやっていたとき、その深刻さを目の当たりにしました。困窮するほど社会生活が制限されて経験の量が減っていくのを解消できないか、という思いとマッチしました。自分に子どもがいるのも大きいです。今はまだ内緒にしていますが、「パパは本当のサンタだったんだ」という経験を子どもに残したい。いつか子どもに本当のことを言う日が来るのを楽しみにしています。
関口:仕事柄、子ども関連の市民活動にも参加していますが、自己肯定感が低い子どもが多いと感じています。幼少期に大切にされたと思える経験が少なく、自分が負担になってるのではないかという気持ちに慣れていると、社会参加が難しくなってきます。子どもたちに、愛された記憶を残してあげたい。実は一定の歳になると、子どもたちにネタばらしの手紙が届きます。そこには、「小さいときに思い出を届けてもらったけど、今度は君がサンタさんのような存在になってくれると嬉しいな」というようなことが書かれています。

Q:活動メンバーについて教えてください。

関口:約30名いるメンバーのうち、半数以上が市役所の職員です。当日のサンタの大半もそうですが、ボランティアやサンタの助手をするサポートサンタもいて、その中に女性もいます。
松本:サンタは男性じゃないとだめなんです。衣装の中にダウンを着て、恰幅をよくして車を運転するのは大変なんですよ。髪の毛が出ないよう、身なりに気をつけたり、髭がずれていないかをチェックしてくれたりするサポートサンタとともに行動します。「なんで日本語しゃべれるの?」「トナカイはどこにいるの?」など、子どものいろんな質問にリアルに答えられるようにロールプレイングで練習しています。

Q:印象のあるエピソードはありますか。

関口:メンバーの鈴木さんがある家庭に伺って、「お母さんも頑張られましたね」と声をかけたとき涙を流したそうです。この活動が、子どもに負い目を感じている親御さんへのサポートにもなっていると感じました。本部から聞いた話ですが、昨年子どものときにチャリティーサンタを経験した大学生が、サンタとして参加してくれました。この活動を通じて、誰かに幸せや笑顔が連鎖していく仕組みになっています。

Q これからの展望を教えてください。

松本:我孫子支部はとくに福祉関係の職員が多いので、ルドルフ家庭への関心が強く、発達に課題があるお子さんやハンデがある子どもたちも含めていきたいと思っています。メンバーを増やして規模を大きくするより、活動を継続していけるようにしっかり協力していきたいです。
関口:ルドルフ家庭に多く申し込んでもらいたいです。活動の継続はもちろん、メンバーも楽しみながら笑顔を届けたいです。子どもたちだけではなく、親御さんにとっても楽しいクリスマスイブの思い出を届けられたら。

 いつかは子どもがサンタさんの存在に気づくときが来る。そのときに思い浮かべるのは、がっかりした顔だろうか。もし大きくなってこの活動を知ったら、きっと温かい気持ちも芽生えるのではないかと思う。チャリティーサンタの活動が人を思いやるきっかけになって、誰かの幸せへとつながっていく、子どもたちを笑顔にするための活動が、もっと多くの人に届いてほしい。
(取材・文/まち活ライター 藤久なお)


毎日食べたくなる味を追求。
麦農家による麦専門店「石臼と麦」

「あびこのブランビスケット」はザクザク食感で香ばしい
ジューシーな肉餡の肉まん(左180円)と自家製小豆のごまあんまん(160円)

 2023 年2月、湖北駅南口から徒歩約10 分の住宅街に麦農家による専門店「石臼と麦」がオープンした。春秋はおやき、夏はピタパンサンド、冬は蒸しまんじゅうをメインに販売する。「商品開発の基準は、自分たちが毎日食べたいと思えるものかどうかです。お客さまを広い意味で家族と考え、おいしいごはんを食べてもらいたいという思いで作っています」と店主の相澤翼さんは語る。ふわっ、もちっとした皮の蒸しまんじゅうは、具もすべて手作り。自然な味わいでもう一つと手を伸ばしたくなる。素朴な味の全粒粉のブランビスケットは、翼さんと妻の琴美さんが育てた小麦のみで作られている。
 相澤夫妻は13 年前に自給用の野菜を栽培しながら、独学で小麦と小豆の二毛作を始めた。小麦の収穫時期は梅雨とかぶるため、6、7月は天気予報とにらめっこだ。小麦は収穫後、洗って、干して、選別してと手間がかかるが、麦畑を見た人に「懐かしい風景だねえ」と言われると「忘れられそうになっている大事なものをやっている」と力が湧いてくる。
 石臼挽き全粒粉の販売に始まり、テントや屋台での酒種まんじゅうの販売を経て、店舗を持つことを決めた。売りに出ていた元自転車店のガラス張りのコーナーを見た時に「ここに石臼を置きたい!」と直感して以来、自分たちで図面を引き、加工所を作り、約3 年かけて開店にこぎつけた。約450 坪の畑を手掛けながらの営業は週2日。おいしさは口コミで広がり、早めに売り切れてしまう日もある。
 石臼体験や麦を使った料理のレシピ公開、麦の収穫から粉にするまでの工程のパネル展示など、やりたいことはいっぱいある。「もっと五感で麦を感じられるお店にしていきたい」と語る翼さんと琴美さん。どこか懐かしい味が、私たちに大事なことを思い出せてくれる。

「引力のある商品を作りたい」と語る相澤翼さん、琴美さん夫妻
店頭の石臼を見て、そば屋に間違われることも

白樺派のまちの見える化に向けて
第3話 塩原にて(続き)、そして鬼平の舞台で
吉澤淳一 我孫子の景観を育てる会

 第2話で、夏目漱石の石碑を見てもらいましたが、街中にもう一つあって、その脇にはこんなプレートが添えられていました。それには石碑の文を解りやすく解説し、更にクイズが載っているのです。クイズはこんな具合です。

 二十一歳までの(漱石の)名前は何と言ったでしょう?
 ア. 塩原金之助 イ. 塩谷金之助 ウ. 塩川金之助

こんな具合で、他の文人たちの碑も同様で思わず引き込まれました。これは我がまちにも使えるな、とも思いました。(写真右)
 さて、最後は東京都墨田区本所界隈、長谷川平蔵こと鬼の平蔵が活躍した舞台に足を踏み入れてみましょう。
 池波正太郎の小説でお馴染みの『鬼平犯科帳』、主人公の長谷川平蔵他何人かは実在の人物ですが、平蔵と固い絆で結ばれている密偵たちは池波さんが生みの親だそうです。軍鶏鍋屋「五鉄」や相模の彦十の棲家など元々ありはしないのですが、それなのに、要所要所に立っている高札風の説明板に接すると、いつの間にか鬼平の世界に誘い込まれていくような感覚におそわれてしまうのです。この試みもまた発見でした。左の写真はかつて実在した長谷川平蔵の旧邸跡の高札。
※鬼平情景:墨田区では、地域の観光資源を活かしたまち歩きを積極的に推進することで、区内回遊の促進を図っています。その一環として、平成25 年に区内の16 ヶ所に、『鬼平犯科帳』とのゆかりを紹介する高札を整備しています。鬼平ファンはもちろん、鬼平のことを良く知らない方にとっても絶好の道標となっておりますので、墨田のまち歩きにぜひ御活用ください。


 市民活動ステーションの事業として「シニアほっとカフェ」を始めて、2年目になります。地域で居場所をつくりたいという方に運営をお願いし、毎月1回、シニアの関心にそったテーマで実施しています。日常生活の支援・終活・歌声喫茶・スクエアステップ等。初めて市民活動ステーションに足を踏み入れた、という人も少なくありません。最初は緊張していた人も、お茶を飲みながら話すうちに気持ちがほぐれ、なごやかな雰囲気が生まれます。
 このカフェの目的は、地域での「ゆるやかな関係づくり」。親戚でもご近所でも友達でもない、でも話して楽しく、刺激や新しい情報がもらえ、プラスのエネルギーが蓄積できる関係。軽やかな気持ちで老いの日々を送れるよう、そんな関係づくりをコーディネートしていきたいと思います。(高橋由紀)
施設利用のご案内 我孫子で活動を「みつける」「はじめる」お手伝いをしています。
■開設時間 9:00-21:00
      17時以降は予約のみ開館。17時以降のご予約は2日前までにお願いします。
■休館日  毎月第2・4月曜日 祝日は開館270-1151 我孫子市本町3-1-2 けやきプラザ10階
Tel・Fax 04-7165-4370
https://abikosks.org/
abikosks@themis.ocn.ne.jp
 
まち活マガジン あびこ市民活動ステーション情報紙No.29
発行日:2023年12月1日/発行元:あびこ市民活動ステーション[指定管理者:(株)株式会社東京ドームファシリティーズ]
デザイン・レイアウト/人を通して障害を識るフリーペーパー「gente」編集長 大澤元貴

関連記事

お問い合わせ04-7165-4370開館時間 9:00~21:00
[休館日:毎月第2・4月曜日 祝日は開館]
※17:00以降は利用予約が入っている場合のみ開館
※17時以降のご予約は2日前の17:00迄

ページ上部へ戻る
PAGE TOP